清須びとINTERVIEW Vol.3
社会の役に立つ人材を、丁寧に育てたい
- 株式会社柴山鉄工所
- 代表取締役 柴山さん
業界関係なく多くの企業さまが人材不足を課題としている中で、人材を育てるということに全力で向き合いながら楽しんでいる柴山鉄工所の柴山さんにお会いし、これからのことや社員さんへの想いを伺うことができました。
主に、エレベーター部品や、車いす・病院のベットなどの介護用部品の製造・組み立て、精密部品の製造などを行っている柴山鉄工所さま。本社・溶接・組立てと役割によって分かれている工場それぞれに機械と人が忙しなく動き、みなさんが責任を持って働くことを楽しんでいました。
「次世代の人材を育てる企業」を目指す
清須のシゴト:柴山鉄工所さまは子供たちに野球ボールを贈られたり、絵本も制作されていましたね!「想い」を大事にしている方だなぁと思っていたのですが、聞かせていただきたいです。
柴山さん:子供たちに野球ボール200個くらいかな、贈ったね!
子供たちも含めて次の世代、またその次の世代に繋いでいくこと、「次世代の人材を育てる企業」を目指しているんですよね。
あと何十年かすると自分の世代は終わるけども、今までの仕事で蓄積してきた技術がある。
その経験を次の40代、30代、20代、10代の人たちに「ちゃんと教えてあげる」っていうのが、なによりもの財産ですよね。お金じゃなくてね。
だから、企業としては5年後10年後、もっとその先を見て、その「教える」というのをやっていかないといけないよねと思ってます。
清須のシゴト:後に続いていく世代のためにですね!
柴山さん:そう。
10年後っていったら、今自分が教えた人たちが成長して頑張っている。
20年後っていったら、その下の世代が教えた人たちに教えてもらって頑張っている。
50年後っていったら、その子供の子供がやっている、ってなるじゃないですか。
いいよね(笑)。そういうふうに伝わって広がっていくっていうのが大事だなと。
丁寧にきちんと、一つずつ教えてあげることが大事
清須のシゴト:「教える」というのは難しそうですが、意識していることはありますか?
柴山さん:そう、難しいよね(笑)。でも、時間がかかってもいいから、丁寧にきちんと一つずつ、一つずつ、教えてあげることが大事かな。
スポーツと同じで、やり方を知らないからできないんですよね。
例えば、「ボールを打てるようにする」にしても、一生懸命振ってもボールに当たらない。
振って振っても上手くならないし、やり方が違っているまま一生懸命やっても上手くならない。
だったら、バントでもいいから、まずボールに当てることからやろうね、と丁寧に教えてあげる。
清須のシゴト:確かに、「ただ一生懸命やってるだけ」じゃ、何も上手くならなそうです…。
柴山さん:仕事も同じことなんですよね。一つずつ、一つずつ、教えてあげることが大事。
それができるようになったら自分なりに考えてアレンジしていけばいい。
早くやるのか、方法を変えるのか、どうやったらお客さまに喜んでいただけるのか、どうやったら給料が増えるのかって一生懸命考えて、上手くなっていけばいいんだよね。
「全員社長」といえるくらいが目標
清須のシゴト:工場で社員の方にお話を聞いても、みなさん自主的に考えたり、動いている感じがします。あと、学んでいる感じがします。
柴山さん:そうでしょ(笑)。もちろんみんながすぐに活躍できるのかと言ったらそうじゃないので、教えている間は企業としては費用がかかるわけですけどね…でもやっぱり、何年もかけて成長していくのが大事だと思いますね。
清須のシゴト:成長した先というか、社員さんたちにどんな成長をしていってほしいですか?
柴山さん:今の目標は、それぞれが独立しても生活できるようにすること、ですね。全員が社長みたいな(笑)
まだ何もできないっていう人でも柴山鉄工所に来てもらえば自立した役に立つ人になって、自分で仕事をこなせるようになって、先々の生活ができるようになって。
みんながそれぞれ、「自分の力」をつけてもらうというのが目標なんです。
たとえ柴山鉄工所を離れて転職するよとなったとしても、世の中の役に立つ人になれていたら、いつでもきちんとした生活はしていけるんで、送りだします(笑)。
僕は、そんな彼らの成長の手助けをしているみたいな感覚で、今まで蓄積してきた技術や知識を一つずつ丁寧に教えていけたらと思っています。
柴山さんの想いと重なるように、現場の社員さんたちはみんな1人1人が責任のある場所を担当して自分事で仕事をされていました。これぞ柴山さんがおっしゃっていた「全員が社長」なのではと体感しました。こんなふうに次の世代の方へ想いが受け継がれる未来、清須からどんどん広がることを想像してとてもワクワクしました。